フリーミアム ー『タダ』が世界を一変するー
どの街でもCDショップに行き、そこで数十分過ごすうちに自然と新譜や、繰り返し流されるミュージックビデオから聞こえてくる、新しいアーチスト等の【知らない情報】つまり、『PUSH情報』が入ってきました。
ところがですね、今はCDショップなんてほとんど行いきません。何かのきっかけで知って聞きたいと思った音楽はiTunesでダウンロードしてしまいます。
そうすると知らない情報に接する機会がまるでない状態になります。
『情報』が溢れている時代に、『情報』に触れる機会が無くなる、もしくは少なくなるということは商品が売れなくなることを意味します。
実際、今、私が音楽に落とすお金は全盛期から比べるとかなり少なくなりました。
では、この場合音楽業界にいる人はどうやって顧客にアプローチすればいいでしょうか?
その一つは『YouTube』です。
Free、、つまり『タダ』で音楽を聴かせる。
これを『フリーミアム戦略』と言います。
『タダ』というのは本当に強い。人を惹きつける力がまるで違います。
Googleだってみんなタダだから使うわけです。お金がかかったらよほどの事が無い限り使わないと思います。ちなみにGoogleは検索を『タダ』で行って、上や横に出る『広告』で収入を得ています。
皆さんも、たまにクリックしてしまうと思います。
『たまに』でも、天文学的数字の検索数ですから、ああいった信じられないぐらいの大きな会社になるわけです。
音楽に話を戻して、『フリーミアム戦略』が一番分かり易いのは『過去の楽曲』です。
CDショップは場所に限りがあるので、需要の少ない古い楽曲に場所を割きません。
ところが『YouTube』なら場所は一切とりません。
簡単に楽曲にアクセスができるため、少なくともも今まで『0』だった顧客へのアプローチが増やせます。
また、中身がある程度確認できるので、購入の動機に至るまでが軽減されます。自宅にいながら店頭で視聴機を見ているのと同じような状況になるわけです。
“日本の音楽業界はすこし遅れていますが”、海外の音楽業界はいち早く動いて、フリーミアムを使ったいろいろな『戦略』をとってます。
一番は『ライブで稼ぐ』にシフトしてます。
YouTubeで見る機会を、、『情報』に触れる機会を増やし、ライブに来てもらう。
ライブ自体でもお金を稼いで、そして、そのライブの音源をその場で録音してその場で販売する。
これは通常のCDを買うのと訳が違います。自分が参加したライブですから、強烈に購入の動機が働きます。
あともう一つ、YouTubeで繰り返しタダで見せて、ある一定の数がいったら消す。といった戦略をとっている場合もあるようです。
これは多分毎日繰り返しみていたものが急に消されたら、DVDを買いたくなると言う戦略でしょう。
これも過去の楽曲とかに有効でしょう。
それ以外だと『くまモン』とかの戦略が有名です。『くまモン』は熊本県の許可さえ得れば、何を作ってもお金を、著作権料を払う必要がありません。
そうすると当然みんな色々作ります。
ぬいぐるみだったり、クリアファイルだったり、ペンやノートだったり、、、目に触れる機会が格段に増えます。
『熊本県』としては『熊本県』をPRすることを目的としているので、僅かばかりの著作権料より、著作権をフリーにして『情報』を拡散する方を選んだわけです。実際広告料に置き換えたら、信じられないぐらいの金額になると思います。
最近では大ヒットした『アナと雪の女王』で松たか子さんが歌う、劇中歌をフリーにしていました。
2014年11月21日 午前9時現在
音楽は聴いて貰えばこそ、情報は見て貰えばこそ、、、
こんな感じで『フリーミアム』は今の情報戦略にとって、切っても切れない関係になっています。