AKBはCDを売ることを目的としている


『AKBはCDを売ることを目的としているでしょうか?』

何を当たり前のことをと思われているかもしれませんが、、伝えたいことの本質は違います。

AKBは『音楽』をフリーミアム化(無料)にしています。
AKBの代表的な曲はYouTubeに行けば公式で聴けます。
この事から決して『音楽を売っている』訳ではないということが解ります。

これに対し、レコード会社は『音楽』をを売っているという姿勢から脱却できていません。
『音楽』を売り物にしている訳だから『音楽』を無料で手に入れられたら困るということで、違法ダウンロードや、Youtubeに常に目を光らせていて、そこに人も割いています。売上げが悪くなっているのに、さらにそこに費用がかかるのでダブルパンチです。

これを「情報」の面からみるとどうなるでしょうか?

一昔前と違い、今は沢山の情報に触れる機会があります。

「TV」「ラジオ」「新聞」「雑紙」「チラシ」「ダイレクトメール」(ここまでが一昔前の情報)「ホームページ」「ブログ」「ツイッター」「フェイスブック」「Instagram」「LINE」「ミクシィ」「ユーチューブ」「ニコニコ動画」「スマホゲーム」「インターネットラジオ」

代表的なものだけでもこれだけあります。

「時間」だけは全ての人に平等なので、その人がどこに「時間」を費やすかがポイントになります。
これだけの選択肢の中からどれかを選択するわけです。
上記にあげた媒体だけでも16個あります。一昔前の情報6つに対して3倍近いです。

この情報が溢れている時代に、情報に接する機会をわざわざ減らすということは=商品が売れないことを意味します。

レコード会社が「音楽」を売ることに固執していると、いつかはダメになるでしょう。

それに対して【AKB】は最初に話したとおり、Youtubeでだいたいの曲は聴けます。

そればかりか肖像権もフリーにしていて誰でも気軽にブログが書けるようにしています。
旧態依然の音楽業界とは全く逆のスタイルで、『情報』に触れる機会を増やしています。

「情報」に触れることで『ファン』ができます。

その『ファン』は「握手券」「選挙券」欲しさに一人で何枚もCDを買います。
AKBの目的は『ファン』をつくることで、
「音楽」はどうでもよく、CDは「握手券」「選挙券」を売るための媒体なのです。

たぶん、「握手券」「選挙券」だけを売っても売れます。ただ、そうすると流通から管理する手間が生まれるのと、レコード会社の人間を巻き込むことができなくなるので、CDという「媒体」を利用しているのだと思います。

これが冒頭の『AKBはCDを売ることを目的としているでしょうか?』の意味です。

けっして『音楽』を売るために「CD」を利用しているわけではなく、「CD」を売るために「音楽」を利用しています。

見た目は同じでも、全く逆なことをしているわけです。
ビジネスの本質が変わってきています。

マーケティング業界では有名な話しなのですが、かつてアメリカで鉄道会社が自分たちは『鉄道事業』だということで、バス会社や飛行機などが出てきたときに、鉄道に固執して衰退したという話しがあります。

この場合、顧客が求めていたのは『移動する手段』なわけで、この話しのように自分達の仕事に対して人々が求めている『本質』をつかまないとダメです。

人が『音楽を”通じて”』求めている物はなんなのか、、、そこには必ず『価値』があります。

同じ理屈を宿泊業に当てはめると、宿泊業は『泊まる場所』を買いにきてるだけでなく『気持ちいい時間』を買いに来ているとも考えられます。

建物が古かったから『気持ちいい時間』ではないという面もあるかもしれませんが、「全て」それではないと思います。

飲食店に当てはめると、飲食店にも『楽しい時間』を買いに来てると考えることができます。

味が『美味い』『まずい』だけではない。もちろんそれも『楽しい時間』の1つの要素ではありますがが、(不味かったら楽しめないので)、決してそれだけではないと思います。

自分のお店に求められているものは何なのか?
また、お客様に与えられる他には出せない『価値』はなんなのか?

そいういった方向から考えてみるのもいいと思います。

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